副院長就任のご挨拶 吉松和彦
皆様こんにちは。この度8月より副院長を拝命いたしました吉松和彦と申します。
私は産科医として大学病院で10年その後新横浜母と子の病院で10年務めた後自然分娩を主体とした産婦人科医院で10年勤務したのち再度当院勤務となりました。大学では婦人科手術を主体に当院現名誉顧問であります石原先生のもと胎児超音波を勉強しました。その後は産婦人科医として無痛分娩 計画分娩 自然分娩等様々経験を積みご縁があって当院に勤務することになりました。
産婦人科医として今考えることは、医療はあくまでも患者様主体であり患者様の声にどれだけ耳を傾けられるかが全てであると思います。産婦人科は少し特殊で患者様は一人ではなく母と胎児がいます、母の声は聞けますが胎児は話しません。そこで産婦人科医は超音波診断で発育と子宮内環境を確認し、胎児心拍検査で胎児が元気か判断していきます。母に対しては外来での真摯で丁寧な対応で耳を傾け、胎児には様々な検査を通じて耳を傾けていきます。
次に医療の安全についてですが、当院には経験豊富な産婦人科医・小児科医・麻酔科医・内科医が常勤し様々な状況で密に迅速に連携できます。分娩では24時間365日産科医が立ち会います。緊急帝王切開が必要な場合は麻酔科医・小児科医と連携し最短時間で移行できますし、新生児の対応も早く適切な対応ができます。当院産婦人科医・小児科医はもちろんのこと看護師・助産師もほとんどが新生児蘇生法NCPRの講習を受けて認定をうけております。お産の全てが順調であればよいのですが一定の割合で緊急処置が必要になります。緊急時に迅速に対応できることは産婦人科として必須なことと考えています。
最後に一生に数回しか経験ができない妊娠出産が患者様にとって安心安全で無事に出来るように、病院スタッフ全員で十分な準備をしていますので、安心して当院にいらしてください。
令和5年8月 吉松和彦
新年のご挨拶 理事長・院長 稲坂 淳
新年明けましておめでとうございます。新型コロナは相変わらず猛威をふるっており、新横浜母と子の病院でもクラスターを発生させないよう気を引き締めて行かねばなりません。感染してしまった妊婦様を含めてすべての患者様に安心と安全を届け続けられるようにスタッフ全員で頑張っていきます。感染対策を油断せず続けていくとともに、感染してしまった妊婦様の不安を取り除けるように努力して参ります。
昨年は日本の出生数の減少にあわせるように当院でも減少傾向を認めました。出生数は減少したら減少した分だけ、私たちは濃密に患者様に力を注ぐことができると思っています。一人一人の患者様の満足度が上がれば、母と子の病院の存在価値が続いていくものと信じています。減少したとはいえ多くの妊婦様に当院を選んでいただきました。無痛分娩を希望され遠方から来院される妊婦様も多く、当院の無痛分娩に対する信頼が得られていると感じました。これも質の高い無痛分娩を継続してきたことへの期待とスタッフの患者様への思いやりの賜と思います。新横浜母と子の病院を選んでいただいた患者様、おすすめしてくれたお知り合いに心より感謝申し上げます。もちろん病院を支えたスタッフにも感謝申し上げます。
私が理事長になり5回目の新年を迎えることができました。様々なことを改善できたと思いますが、改善のスピードが鈍ってきたなと感じています。仕事がマンネリ化していると感じています。改善するところが無いのは、もしかすると病院がそれ以上良くならないということかもしれません。スタッフそれぞれが知恵を絞って改善していけるような組織を作っていければと思っております。一人一人の妊婦様としっかり向き合い、安心安全な医療と心遣いを常に提供できるように、病院の体制を整えていきたいと思います。
私たちは日々仕事に追われて自分たちのことで精一杯かもしれません。しかしこの世界で起こっているいろいろな人々の痛みを少しでも忘れず生きていきたいとも思っています。他者の痛みを敏感に感じ取れる人材を育成していくことが、当院の無痛分娩を質の高いものとすると信じています。
小児科専門医 水谷先生のご紹介♪

小児科医の水谷佳世です。2022年8月からこちらで働き始めました。
出身は母と子の病院のある、ここ横浜市港北区です。大学からは横浜を離れておりましたが、25年ぶりにもどった横浜市港北区は、立派なスタジアムとIKEAができて第三京浜と首都高速が繋がって大きく発展していました。驚きです。
私の趣味は自転車です。北海道サイクリングではオホーツク海と沿岸のハマナスの花々が忘れられません。南は与那国島一周したこともあります。仕事をしていると、精神的な疲労がたまってしまうのですが、自転車で走るといろいろなことから心が離れ、自由になる気がします。
現在は、コロナ禍の最中ですから、なかなか自由に出かけることが困難な時もありますが、許される範囲でまた自転車に乗り、日本全国津々浦々を見てきたいと思っております。自分の荷物を背負い自分の脚で行って見ると、車やバスでは見えないものが感じられます。
さて、仕事面ですが、医師国家試験合格後25年のあいだ私がどうしていたかといいますと、小児科医として大学病院や他県のこども病院、総合周産期センター新生児集中治療室(NICU)に勤務し、周産期専門医(新生児)の資格をとり、日々1000gに満たない小さく生まれた赤ちゃんや、重症な赤ちゃんの診療に携わっていました。毎日毎日あけてもくれても患者さん・赤ちゃんとNICUで過ごし、時には泊まり込むこともありました。そうしてNICUを退院した赤ちゃんがお家に帰って成長し、また外来に様子を見せにきてくれると、本当にこの仕事をして幸せだなあと感じていました。
新生児の診療に携わり赤ちゃんを守ることは、50年後100年後の未来を守ることだと思っています。今回、出身地である横浜に戻り、周産期専門医として、ここ新横浜母と子の病院の赤ちゃんの診療を拝命し嬉しく思い、頑張っていこうと張り切っています。よろしくお願いいたします。
産婦人科専門医 橋本先生のご紹介♪

産科医の橋本誠司と申します。
出身は奈良県。たくさんの遺跡に囲まれた環境だったため、子供の頃は学校が終わると自転車に飛び乗り、暗くなるまで遺跡探索に明け暮れていました。
そのせいでしょうか。今でも休日はじっとしていられず、ドライブしながら様々な場所に足を運んでしまいます。なかでも最近のお気に入りは箱根!あと、鎌倉、茅ヶ崎。すっかり神奈川県の虜です。
そんな私は、産婦人科医になるまでに少し遠回りしてしまいました。というのも、最初に入学したのは、東京学芸大学教育学部心理学科。そこで母子に関わる領域の心理学を学びます。そして卒業後、医療系施設での研修で医療の大切さを知り、再受験で医学部に入学。入学後、心理学部で学んだことを活かせる小児科と産婦人科で迷いましたが、一人の素晴らしい教授との出会いにより、産婦人科の道を進むことを決心しました。
このように、医師としては遠回りした私ですが、今では、心理学で培った知識を強みに変え、患者さまに寄り添う丁寧な診療を心がけています。
きっと、妊娠中は悩みや不安が尽きることはありません。
刻々と変化していく自分の身体や体調に戸惑う日もあれば、胎動が感じられず心配で眠れない日もあるでしょう。
今日の食事はお腹の赤ちゃんにとって良くなかったのではないか、と自分を責める日もあるでしょう。
そんなとき、検索魔になる前に私の外来にいらしてください。そして抱えている不安や悩みを聞かせてください。みなさんの不安を解消し、安心して分娩の日を迎えられるよう全力を尽くします。
新年のご挨拶 理事長・院長 稲坂 淳

新年明けましておめでとうございます。昨年末はコロナも少し落ち着いて、一息つけるかと思いました。しかしオミクロン型が世界中で猛威を振るっています。当院スタッフの3回目のワクチン接種もまもなく始まり、新横浜母と子の病院も再び気を引き締めて、戦い続けなくてはなりません。どんなことがあっても、患者様に安心安全を届けることを忘れずに、最大限の努力と改善を持続して感染対策を行って参ります。
昨年の分娩数は急激な減少も無く、多くの妊婦様に当院を選んでいただきました。リピーターを含め無痛分娩を希望される妊婦様の信頼を少しは得られていると実感しています。これもスタッフみんなの患者様への思いやりと仕事に対する熱意のたまものと思います。新横浜母と子の病院を選んでいただいた妊婦様、おすすめしてくださったお知り合いの方々に心より感謝申し上げます。もちろん病院を支えたスタッフにも感謝申し上げます。
私が理事長になり3回目の新年を迎えることができました。少しずつですが様々なことを改善してきたつもりではありますが、問題点も浮き彫りになってきていると思います。その一つは働き手の不足です。医師、助産師、看護師それぞれ若手の成長とやる気をはぐくむ努力の継続が病院の生命線となることは間違いありません。若いスタッフが生きがいを持って働ける職場環境を作っていくことが、私にとって大切な使命の一つと肝に銘じて邁進していきたいと思います。もちろん長年病院に貢献してくれた年配のスタッフにも無理なく働きやすい環境の整備を行います。
人それぞれには限られた能力があり、最大限に活かして互いに補い合いながら医療に貢献できればと思います。しかし、能力以上に多くの患者様を診ることが、患者様の不幸につながることもあると最近では考えるようになりました。確かにスタッフみんなの力を合わせて、とてつもなく患者様を幸せにすることもあるでしょう。しかし能力以上のことができなくて、不幸にすることもあることに目を向けなくてはなりません。一人一人の妊婦様としっかり向き合い、安心安全な医療と心遣いを常に提供できるように、病院の体制を整えていきたいと思います。
今年も皆様にとってよい年でありますように。新横浜母と子の病院は信頼され期待される病院であるように頑張ります。よろしくお願いいたします。
産婦人科専門医 吉松先生のご紹介♪

出身は埼玉県で趣味は野菜作りです。最近は夏野菜を植えて玉ねぎとジャガイモの収穫をいつにしようかと考えているところです。
私は30年前大学病院で産婦人科医としてスタートしまして、産科では多くの出産と超音波診断について、婦人科では子宮筋腫や卵巣嚢腫の手術等を学びました。
その後、無痛分娩も含めた勉強のために新横浜母と子の病院で10年間研鑽を積み、次に自然分娩が主体のクリニックで10年間経験をして、無痛分娩と自然分娩の良いところを学んできました。
その間、常に医学的根拠に基いた医療を心掛け、産科ガイドラインに沿うように努力し続けてまいりました。このことは今でも私の医療の中核をなしています。
患者様に正しい医療を提供するためにも必須なことであると考えています。
それに加えて今は、産婦人科医として30年の経験をしてきて更に重要と考えることがあります。
それは患者様に対して今まで以上に誠実に優しく接することです。
外来にいらっしゃる患者様の中には、様々な不安や心配事のある方も多いと思います。
その方々が安心して気持ちよく医療を受けられるようにサポートすることが、これからの私がやらなければならない事と考えています。
一生に数回しか経験できない妊娠出産が、患者様にとって不安なく安心安全で素敵な経験になるように、全力で向き合って行く所存です。
ご質問や聞いてみたいことがある方は、どんなことでも丁寧にお答えしたいと考えていますので、遠慮なく聞いてください。
今までの経験を生かして、患者様お一人お一人に少しでも精度が高く親切で優しい医療を心掛けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
新型コロナ禍における乳幼児健診や予防接種について
小児科 三浦 文宏 副院長

昨年から全国に広がった新型コロナウイルス感染症により、こどもたちにもさまざまな制約が求められています。そんな中、コロナ感染を心配するあまり「病院の中やその道中でコロナに感染してしまうのではないか?」「健診や予防接種は急いでやることではないので、それなら受診しなくていいのでは?」などと考えることがあるのではないでしょうか。
感染拡大が長期化する中、これまで保健所で実施されていた集団健診が困難な状況にあります。当院は横浜市より依頼を受け、今までも行ってきた6-7カ月健診、9-10カ月健診(または1歳健診)に加え、3-4カ月健診、1歳6カ月健診、3歳健診も行っております。
乳幼児健診の役割は、こどもの成長・発達の評価、疾病のスクリーニングはもちろんですが、地域、行政、医療につながる子育て支援の入り口としての重要性があげられます。
健診を行うタイミングは、こどもの成長・発達においての大切なポイントを十分考慮し、長年の経験を経て定められているものです。適切な時期に適切な介入をすることが大切ですので、「この健診はいいか、次回にまとめて・・・」のようにはお考えにならないようにお願いしたいと思います。集団健診(3-4カ月、1歳6カ月、3歳)の現状は、各市町村(または区)のホームページにアップデートされていますので、随時確認することをおすすめします。
個別健診の長所は、こどもとその家族が場所・人ともに慣れていることから、緊張なく些細なことでも相談しやすい環境にある点です。今や、わからないことがあればすぐにネットで調べられる時代ですが、自分のこどもに合う情報を正確に手にいれ、そこから適格に判断することは容易ではありません。それに、思い込みで検索を続けることで不安を一層募らせてしまうこともあるでしょう。健診の場で、子育ての不安や疑問をご遠慮なくお聞かせください。
定期予防接種も別に急ぐ必要はないから、先延ばしにしてもいいだろうと考える保護者もいるようです。こどもにとっては、予防接種によって防ぐことのできる感染症のほうが、新型コロナウイルス感染症に比べ重症化や後遺症を残すリスクが高い傾向にあるため、コロナ禍だからといって予防接種をためらうことはナンセンスです。予防接種の時期や回数は、感染症の特徴を考慮し、かかりやすい年齢や重症化しやすい年齢、抗体を獲得しやすい時期をふまえて適切に定められています。そのため、時期を逸せずに速やかに予防接種を行うことが大切です。
当院においては、健診や予防接種を重要視し、来院が感染につながるようなことがないよう消毒・換気などの徹底した感染対策を行っておりますので、安心してご来院ください。健診・予防接種の来院前には、必ず自宅において体温を測定し、いつもと比べて体調に大きな変化や問題がないことを確認してください。もし体調が悪いときは外出を中止し、元気になったらあらためて予定を立ててください。
こどもの健診や予防接種は、決して「不要不急」ではありません。適切な健診時期、予防接種推奨期間になりましたら、“コロナ控えなさらず!”病院にいらっしゃってください。